世界の知識人トップ20
ランキングは本来危険な作業である。 国、都市、または大学の階層構造を示唆するか否かに関わらず、その種のリスト、少なくとも編纂するだけの価値があるリストは皆、かなりの規模の議論を発生させるものであろう。前回の号で、読者に世界の知識人トップ20を選んでもらうよう求めた時、私達は多くの人々が自分の意見を知らしめようとするだろうと想像していた。しかし誰も、このように投票が殺到することは予想していなかったのである。およそ4週間の投票期間中、50万以上の人々が投票の為にForeignPolicy.comを訪れたのだ。
このような投票の殺到状態は、私達が選出していた人々の力について、独自の何かを示唆するものである。彼らは主にその思想の影響力ゆえに、私達の最初のトップ100のリストに含まれていた。しかし「公の知識人」であるということは、広く、多種の人々とコミュニケーションをとる才能も含むものである。この才能は確実に、リストの上位に位置する為の利点である。例えば、多くの知識人(アイトゥザズ・アフサン、ノーム・チョムスキー、マイケル・イグナティエフ、そしてアムル・ハレドなどを含む)は、それぞれのウェブサイトでこのリストを紹介し、投票促進を図っていた。他の人々もプレスリリースを発行したり、地方紙にインタビュー記事を掲載したりしていた。これらの知識人を紹介する報道が世界各地で行なわれ、、カナダやインド、インドネシア、カタール、スペインやその他では連載記事も出された。
誰も、リストの一位を占めた男性ほどには、話を有効に広めることはできなかった。5月前半、このトップ100のリストについて、イスラーム神学者フェトゥフッラー・ギュレン師と密接な関係を持つトルコの日刊紙ZAMANの一面で言及された。数時間のうちに、彼の支持者達の票が次々と入り始めた。彼の支持者-主に教育を受け、社会的に有望な立場にいるイスラーム教徒-は、彼らの英雄だけではなく、トップ100にランクインしている他のイスラーム教徒にも票を投じることを望んだ。そのうねりによって、今年の読者投票における「知識人トップ10」は全てイスラーム教徒となった。彼らの、特にイスラーム教に関する思想には明白な違いがある。このケースにおいては明らかに、アイデンティティ・ポリティクス(個人や集団が自分の帰属性・同一性を模索する試み)が勝利を得ているのである。
- フェトゥフッラー・ギュレン
- ムハンマド・ユヌス
- ユスフ・アル-カラダウィ
- オルハン・パムック
- アイトゥザズ・アフサン
- アムル・ハレド
- アブドゥルカリーム・ソローシュ
- ターリク・ラマダーン
- マフムード・マンダーニ
- シリン・エバディ
- ノーム・チョムスキー
- アル・ゴア
- バーナード・ルイス
- ウンベルト・エーコ
- アヤーン・ヒルシー・アリ
- アマルティア・セン
- ファリード・ザカリア
- ガルリ・カスパロフ
- リチャード・ドーキンス
- マリオ・バルガス・リョサ
- に作成されました。