夜になった時
日が昇る時、朝の最初の瞬間をこういった多くのお祈りで飾られる預言者ムハンマドは、太陽が沈む時、あたりが暗くなる時にも次のようなお祈りをされた。これらのお祈りはあたかも、そのお方の昼の、そして夜の太陽であった。預言者ムハンマドの夜は、昼間と同じように輝かしかった。お祈りはあたかも、預言者ムハンマドの夜の天空の輝かしい灯明のようであった。そしてこのお方は、その灯明に灯をともすことを決して忘れられなかったのだ。
「アッラーよ、あなたの他には神はなく、あなたが唯一の存在であられること、比類なき存在であられること、ムハンマドはあなたのしもべであり、あなたの使いであること、そしてあなたの、最も高いところを支える存在、天使たち、全ての被創造物たちの証人となりつつ、私は夜を迎えました」[1]
預言者ムハンマドの礼拝における全ての動作は、最上の段階へと続く光を帯びた階段のようであった。階段の一段一段はお祈りでできていたのだ。礼拝に備えている段階でかもし出される輝かしい雰囲気は、礼拝中の輝かしさと密な結びつきがある。
預言者ムハンマドはトイレに入られる際もお祈りされた。出られる時もお祈りされた。小浄(礼拝する前に体の一部分を水で清めること、ウドゥー)をされる時に行われたお祈りも、それぞれの部位を洗う時に行われたお祈りもある。小浄を完了されるとまた別のお祈りを読まれる。礼拝の呼びかけ声(アザーン)の後に唱えられたお祈りもある。礼拝を始められる時もまた別のお祈り、礼拝所に出かけられる時、中に入られる時、礼拝所から出られる時に、それぞれのお祈りがなされた。
礼拝を始められると、最初のタクビール(アッラーは偉大であるという唱え、「アッラフアクバル」と言うこと)の後にお祈りをされ、直立(キヤーム)で、立礼(ルクーウ)で、平伏叩頭(サジダ)で、二つの平伏叩頭の間で、座られた時に、挨拶をされた後に、とそれぞれ別のお祈りをされ、預言者ムハンマドはこれらのお祈りをどれ一つとして忘れられないように努めておられた。
[1] Abu Dawud, Adab 101
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